aa 印鑑の移り変わり

印鑑が人々の手に渡り始めた頃は、人の手による手彫りが主流でした。戦国時代には各武将達がそれぞれに趣向を凝らした印を作り上げました。特に武田家の龍の印、上杉家の獅子の印、北条家の虎の印が有名です。江戸時代に入ると印鑑帳が作られました。また明治時代には、自署の代わりに記名押印すれば文書における当人の証明になるという制度が確立した為、一般庶民の間にも印鑑は普及していきました。

当時は専門の職人による手彫りが一般的でした。使用される書体を多くの字典で丹念に調べ、そこに職人各々のアレンジを加えて印影を下書きし、それを元に彫りの作業を行いました。現在では機械を使用した機械彫りという加工方法も確立され、大量生産が可能になり、値段も手頃になりました。また、最近では書類等の電子化により、パソコン上で押印できる電子印鑑も普及し始めています。

今までは実際の印影をスキャナで読み取り、パソコンに取り込んだ画像を加工して使用していましたが、最近ではパソコン上のみで印影の形状、書体、色、大きさ等を選ぶだけでワープロ文書や表計算ファイルの文書に直接押印できるようになりました。この為、書類を印刷してから押印していた手間が無くなり、業務の効率化にも繋がりました。しかし、偽造防止や印影の美しさの観点から手彫りの文化は今も続いています。特に法的な効力を持つ実印には、書体など持ち主の意見が反映される手彫りが適していると言えます。


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